常にお話していることですが、変色・黄変シミというものは、そのシミが濃ければ濃いほど、極限まで染み抜きしても黄ばみが残る傾向があります。

シミが残る場合でも、着物が何らかの色に染まっている着物の場合は、シミの残った部分をその地色に合わせるように色をかけて直す方法が使えるものもありますが、染まっていない着物の部分、つまりは白地の部分などの場合は、染み抜きでどこまでシミを薄く出来るか?が重要になってきます。

白地の着物の場合、柄や金彩を足す方法があります

染み抜きでシミが残った場合、その着物の柄や金彩に合うように、柄や金彩などを足す方法があります。

この技法は、シミを隠すためにはもちろんのこと、譲り受けたりした着物の寸法を出す場合に、柄が切れていることがありますが、その柄が切れている部分を繋げるための加工にも使われます。

 

白地着物 濃い変色シミ 染み抜き・クリーニング前

 

振袖の白地部分に、かなり濃い変色シミが出ております。

画像ではあまり分からないかと思いますが、染み抜きで極限まで濃い変色シミを薄くしましたが、色修正が出来ないので、実物はまだ着用時に分かるくらいに黄ばみが残っています。

 

白地着物 濃い変色シミ 染み抜き・クリーニング後

 

シミの黄ばみが残っても、特殊な加工でシミを隠します

このお振袖は、お見積りの時点でシミが残ることが分かっていたので、シミと黄ばみを隠すための柄足しを行うご提案をして、お客様にご了承をいただいておりました。

当初は砂子という細かい金の粒子を吹き付ける金彩加工での柄足しを考えていたのですが、このお振袖には砂子の柄はないので、全体的な柄のバランスを考えると、取ってつけたような柄になる可能性があり、実際にお着物を見ながら柄足しを行う職人さんと綿密に打ち合わせた結果、地の白の上に足されても違和感がない、他の部分にある黄白色の流水柄を足すのが最も自然だろうという結論に達しました。

 

絞り振袖 柄足し後

 

柄足しがこの部分だけではバランスが悪くなるので、すでにある流水柄と流れ的に繋がるように、柄足しを行いました。

今回のように、シミがどうしても残る場合でも、自然な感じで柄を足すという方法もありますので、他店様で修復困難と診断されたお着物でも、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

職人の叡智を結集して、大切なお着物を想いも一緒に救います。

【参考価格】 染み抜きだけではなく、作業工程が多岐にわたるため、要お見積りとなります(お問い合わせください)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)

着物丸洗い・カビ取り・汗抜きなどの料金表