着物を着た後にしていただきたいこと
着物を着てお出かけ・楽しんだ後は、大切な着物もしっかりと休ませてあげましょう。
着物を脱いだあとのお手入れ方法
まず、着物を脱いだら、和服用のハンガーに着物を掛けて、シワを軽く伸ばすように形を整えてあげましょう。
同じように、長襦袢・帯も出来れば別々のハンガーに掛けましょう。
ハンガーに掛けたら、風通しのよい部屋で半日から一日くらい、陰干しをしてあげましょう。 (日が差す・直射日光が当たる場所は厳禁!たった半日でも、紫外線は着物の変色・退色を引き起こします)
風を通すことによって、着物の大敵である湿気を飛ばすことが出来ます。
陰干しが終わったら、全体を見て、シミ・汚れなどがないかチェックしましょう。
もし、シミ・汚れが見つかったら、早めに染み抜きの専門業者さんに染み抜きを依頼しましょう。
(自分でシミ・汚れを処理するのは、かなりの確率で余計酷くなったりするので、止めておいた方が無難です)
特にシミ・汚れなどが見当たらなかったら、丁寧にたたんでタンスにしまいましょう。
着物の保管について
着物・長襦袢・帯は、畳紙(たとう紙)などに入れて保管します。
クリーニング上がりなどで、ビニール袋に入っているのをそのままの状態で保管される方がおられますが、これは絶対に止めてください。
密閉された空間は、着物にとって最悪の環境です。
着物は湿気を嫌い、風を好みます。
収納するタンスは、桐タンスが一番適しています。
桐タンスは、衣類(特に着物)の大敵である、「湿気」がこもりにくいという特性を持っており、衣類を食い荒らす「虫」に対してもいくらかの防虫効果があるようです。
タンスには、出来れば除湿剤を入れましょう。除湿剤は、水が貯まるタイプは絶対に避けてください。
防虫剤は、市販の着物用の物を一種類だけ入れてください。
防虫剤は、着物に直接触れないようにしてください。直接触れたまま長期間放っておくと、変色などの事故が起こることがあります。
虫干し・陰干しについて
着物は湿気に弱く、カビが発生しやすいものですので、年に1~2回(出来れば3回)、「虫干し」をして新鮮な風に当ててあげましょう。
虫干しには言葉の通り、陰干しすることによって、害虫を取り除く目的もあります。
虫干しの時期ですが、7~8月(土用干し)・10~11月(秋干し)・1~2月(寒干し)の三期あります。
梅雨の湿気をとるための夏の土用干し、空気がよく乾燥している時期の秋干し、最も乾燥している冬の寒干しと、それぞれにお手入れの意味があります。
虫干しの方法ですが、晴れた日が2日以上続く日を選び、午前10時~午後3時くらいの間、日光が直接当たらず風通しの良い部屋で、着物ハンガーや竿などに着物を裏返し(これが重要)にして掛けて陰干しします。
その際、ついでに多当紙(たとう紙)も干しましょう。
変色・湿気臭いなどの状態になっていたら、思い切って交換してしまいましょう。
タンスも、引き出しを全部開けた状態にして、風を通しましょう。
除湿剤・防虫剤などは、この時交換しておけば良いと思います。
脱いだ後にシミを見つけたら?
着物を脱いだ後にシミを見つけた場合、くれぐれも慌ててご自分で染み抜きを試みない方が良いかと思います。
ほとんどの着物に使われている絹(シルク)という素材は、摩擦に非常に弱いので、無理にシミの部分を擦ったり叩いたりすると、生地の表面が毛羽立ちをお越し、元に戻せない状態になってしまうことがあります。
墨・インク・ヘアカラーなどの特殊なシミでなければ、付いただけのシミは綺麗に落とすことが可能ですので、着物を脱いだ後にシミを見つけたら、慌てずにプロに染み抜きをご依頼くださいませ。