着物を着る際に、下着の上に着て着物の下に着る長襦袢は、衿の部分に取り外し可能な半衿という物を付ける必要があります。

その半衿は、襦袢の地衿に縫い付けるのが正式なのですが、慣れていない方が縫うのは意外と難しいそうで、当店でも半衿付けのご依頼はちょくちょくいただくご依頼でもあります。

ネットで検索しますと、「半衿を縫い付けるのは面倒なので、両面テープを使って貼り付ければ良い」というようなライフハックのような記事などを見かけることがありますが、その方法を実践する前に、気をつけていただきたいことがあります。

両面テープの粘着剤は、布地に付くと残りやすい

両面テープは、固くてツルッとした面に貼る場合は綺麗に剥がれて跡が残らない場合もあるのですが、布地に貼った場合、両面テープの粘着剤が残ってネバネバになることが非常に多いです。

この画像は、お襦袢の地衿に両面テープを貼って半襟を付けてから外した跡ですが、テープの粘着剤が残って、ネバネバとした汚れになっている状態です。

 

両面テープの粘着剤のシミ 染み抜き・クリーニング前

 

剥がれにくいということは、シミになったら落ちにくいということ

両面テープの粘着剤については、主にゴム系・アクリル系・シリコン系などがあるようですが、いずれの粘着剤においても、両面テープの性質上、粘着力が強力な物がほとんどで、粘着力が強力ということは、シミになった時に落ちにくいシミになるということでもあります。

 

両面テープの粘着剤のシミ 染み抜き・クリーニング後

 

かなり落ちにくいシミではありましたが、強めの樹脂を溶かす溶剤で落とすことが出来ました。

両面テープの粘着剤のシミをご家庭で落とすのは非常に困難なので、お襦袢に半衿を付ける際に両面テープを使うのは、縫い付ける時間が全くないなどの緊急時だけにするようにお願い致します。

【参考価格】画像部分の染み抜き 4,000円程度(税別)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)

着物丸洗い・カビ取り・汗抜きなどの料金表