和装(着物)用のバッグにシミが出たので何とか綺麗にして欲しいというご相談は、それほど多いというわけではありませんが、年に数度くらいはご相談をいただくことがあります。

和装用のバッグは、使わない時は全く使わないアイテムなので、大事に長期保管されている間にカビや劣化によるシミが出たりすることが多いようです。

ただ、基本的には和装バッグの染み抜きはほぼお断りしているのが現実です(誠に申し訳ございません)

着物・和装用バッグは構造的に染み抜きが難しい

何故かというと、通常よくある和装用のバッグというのは、手に持ってみると、とても固いというかガッチリとした作りになっているかと思います。
その理由は、バッグを形作るために厚紙などで型を作り、その形に生地を貼り付けて、そしてバッグの形に作ってるんですね。

ですので、染み抜きで水や薬品などを使ってしまうと、バッグの型崩れや生地を貼り付けた際の接着剤が滲み出たりするトラブルが起こる可能性が高くなるので、基本的には和装用のバッグは染み抜きもクリーニングも出来ないお品物となります。

数は少ないが、染み抜き可能な和装バッグもある

そんな和装用のバッグですが、中には染み抜きが可能な例外的なお品物もあります。

この和装用のバッグも、ご依頼者様にご相談を受けた際に最初は染み抜きが困難な可能性をお伝えしたのですが、よくお話を聞いてみると、通常の和装用のバッグとは構造が違うようでしたので、まずは拝見させていただいてから診断しますとお伝えして、お預かりさせていただきました。

 

和装用のバッグ 染み抜き前

 

何のシミかは不明ですが、長期保管されている間にいつの間にかシミが出ていたそうです。

このシミは変色したシミですが、おそらく何か液状の物が付いてそのままになり、年月が経って変色したシミになったものと思われます。

このバッグは型を使わずに縫製だけで形作られていたため、かなり困難ではありましたが、工夫をして何とか染み抜きすることが出来ました。

 

和装バッグ 染み抜き後

 

くどいようですが、基本的には和装用のバッグの染み抜きはお断りしておりますので、ご了承くださいませ。

【参考価格】画像部分及びその他全体的なシミの染み抜き・クリーニング 30,000円程度(税別)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)