血糊(ちのり)というものをご存知でしょうか?

お芝居やドラマ、時代劇などで、刀で斬られたり銃で撃たれたりした際の血飛沫を表現するための小道具ですね。

血糊のシミは思っていたよりも落ちにくい

大衆演劇をされている方から、血糊のシミが着物に付いたのを落として欲しいというご依頼がありました。

この血糊というものですが、ネットで調べてみると、コーンスターチなどが主な成分で、水で洗えば簡単に落ちるとありました。

その情報を元に、通常の染み抜き作業でだいたい落とせるだろうと考えていて、実際に小さな血糊のシミは染み抜きテストで綺麗に落ちたので、本番の染み抜き作業に入ったのですが、濃く大きなシミは、通常の染み抜き作業では落ちきらないことが分かりました。

 

血糊の付いた着物 染み抜き・クリーニング前

 

通常の染み抜きと特殊な染み抜きの違い

通常の染み抜きとは、要は洗剤系の染み抜き剤と水を使う染み抜きなのですが、それに対して特殊な染み抜きとは、漂白(色素や黄ばみを抜く工程)を含むものを指します(なをし屋の基準です)

通常の染み抜き作業であれば、簡単に言えば洗い流せばシミが落ちるのですが、特殊な染み抜き作業になると、通常の染み抜き作業に加えてシミを化学分解で抜く工程が必要になり、また、衣類の地色によっては特殊染み抜きで色が抜けるので、色が抜けた部分を高度な色修正で元に戻す作業が必要になります。

なので、通常の染み抜き作業に比べると、特殊な染み抜き作業は二倍もしくは三倍、四倍(もっと十倍くらいの場合も)の手間がかかる作業となります。

古い変色したシミを染み抜きする場合、お見積り金額に驚かれる方もいらっしゃいますが、特殊な染み抜き作業は、単なる汚れ落としの何倍も手間がかかり、全国でも限られた数の職人にしか出来ない技術であるということは、ぜひ知っておいていただければと思います。

 

血糊の付いた着物 染み抜き・クリーニング後

 

通常の染み抜き作業と特殊な染み抜き作業を組み合わせて、血糊のシミを何とか綺麗にすることが出来ました。

【参考価格】画像部分のシミ抜き 15,000円程度(税別)(全体の染み抜きはお見積りとなります)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)

着物丸洗い・カビ取り・汗抜きなどの料金表