着物ではよくある話ですが、ご自身が子供の頃に着た物を、今度はご自身のお子さんに着せてあげたいというご相談は、洋服でもちょくちょくいただくご相談です。

とはいえ、当たり前ですが子供が大人になって親になるまでの年月が経っているわけですから、想い出の洋服にシミがあった場合は、それ相応の年月が経っているというわけです。

シミは変化すると落とすのが非常に難しくなる

染み抜き屋として常にお話していることですが、シミというのは、付いただけの汚れであれば比較的落ちやすいのですが、年月が経って変化(変色)したシミの場合は、その衣類の生地や染色を変色させている状態ですので、洗剤を塗って洗っただけでは落ちず、薬品を使った化学反応で変色を分解除去する必要があります。

そしてその変色したシミを落とす作業は、生地の性質や薬品との相性などを理解した上で、経験を積んだ職人でないと出来ないリスクの高い作業となります。

このことが、ほとんどのクリーニング店では単なる汚れは落とすことが出来ても変色したシミを落とすことが出来ない最大の理由になります。

 

子供用ワンピースのシミ 染み抜き前

 

お子様用のワンピースのレース部分に、変色のシミとリボンからの色移りがあります。

レースの生地は、見て分かるように生地自体が薄く繊細なので、通常の生地よりも染み抜き作業を丁寧に行い必要があります。

普通のTシャツのように強い圧力をかけて洗浄すると生地の目が開いたり破れたりするリスクが高いですし、レースの素材によっては、使う薬品と染み抜き方法を間違えるとやはり生地の損傷が起こる可能性が高くなります。

また、レース生地の素材によっては染み抜き作業自体が困難な場合もあります。

その辺りのことを総合的に検証し、生地を傷めずに最大限良い結果を出すためには、人に習ったり何かで調べた程度の付け焼き刃の知識と経験ではなく、途方もないくらいに多くの染み抜き品と真剣に向き合った経験が必要になります。

 

子供用ワンピースのシミ 染み抜き後

 

そのままの状態では染み抜き作業が難しかったので、リボンの部分を取り外してから染み抜きを行い、その後付け直しました。

繊細な生地でしたので、出来る限り生地に負担をかけない作業を何度も繰り返す必要があり、かなり時間と手間がかかりましたが、想い出のお品物をご着用に支障がない状態にまで直すことが出来ました。

想い入れがあって大切にしているけど、シミが着られない物や他店様で断られてしまった物、そのようなお品物でお困りでしたら、ぜひ一度なをし屋にご相談くださいませ。

染み抜きの最後の砦として、最大限の技術力でお応えいたします。

【参考価格】画像部分の染み抜きとリボンの付け直し 25,000円程度(税別)
※注※染み抜きとその他修正は生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)

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