度々お話しておりますが、付け爪(ネイル)を爪に貼り付ける際の糊は=接着剤なので、衣類に付くと非常に落ちにくい厄介なシミになります。

さらに厄介なことに、速乾性と粘着力を重視しているのか、付け爪の糊の多くは、いわゆる瞬間接着剤の成分と似た物を使っているようで、シミの中でもかなり難易度の高い染み抜き作業となります。

瞬間接着剤のシミを落とせる店はほとんどない

クリーニング店の集客の手段やメニューの一つに過ぎない、世の中の名ばかりの染み抜きとは違い、着物のお手入れ技術から始まって三百年脈々と受け継がれてきた本物の染み抜きの職人として「なをし屋」を立ち上げて二十年弱の年月が経ちましたが、瞬間接着剤のシミが落とせる店にはほとんど出会ったことがありません。

それぐらい、瞬間接着剤のシミを落とすのは非常に難しい作業となります。

瞬間接着剤のシミを落とすには特殊な薬剤を使う必要があり、その薬剤との相性の問題で、なをし屋でも衣類の生地の種類によっては(アセテートなど)瞬間接着剤のシミが落とせない場合もあるのですが、落とせる素材であれば、今まで落とせなかったことはありません。

お店によっては、技術力のなさから自店では出来ないことを隠し、瞬間接着剤のシミは落とせないと説明する店もあるようですが、先にお話したように、生地の素材や染色との相性さえクリア出来れば、かなり難易度が高く非常に手間のかかる染み抜き作業となりますが、瞬間接着剤のシミは染み抜き可能です。

 

振袖に付いた付け爪の糊のシミ 染み抜き前

 

お振袖を着ている時に付け爪の糊が溢れてしまったそうで、慌ててお湯を含ませたタオルで拭いたそうですが(生地の損傷の原因になるので、絶対にやめてください)、シミが落ちることはなく、付け爪の糊のシミだけではなく濡らした水ジミも残るという結果になりました。

このお振袖は絹100%で、先にお話した瞬間接着剤を落とせる特殊な薬剤を使うことが出来るので、付いた糊の量も多くかなり手間と時間がかかる染み抜き作業でしたが、何とかシミを落とすことが出来ました(画像は付け爪の糊の染み抜きのみ行い、水ジミを落とす前の画像です)

 

振袖に付いた付け爪の糊のシミ 染み抜き後

 

付け爪(ネイル)の糊や瞬間接着剤は落とせないと説明する店も多いようですが、生地の素材や染色との相性さえクリア出来れば、落とせるシミとなりますので、このようなシミが付いても諦めずにご相談ください。

【参考価格】画像部分の付け爪の糊のシミの染み抜き 15,000~20,000円程度(税別)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)

着物クリーニング 料金表⇨

着物のカビ取り・汗抜き・染み抜き参考価格など 料金表⇨

 

TEL
MAIL
LINE
ACCESS